約 1,629,512 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8291.html
前ページ次ページ萌え萌えゼロ大戦(略) 「それはどういういことアルか?」 出撃の直前。燕は自分の耳を疑った。 「お前たちは、もう日本やドイツには帰らないアルか?どうしてアル?」 信じられないという顔の燕。そんな彼女に、あかぎや、武内少将たちは 優しく笑ってみせる。 「……私は、ミッドウェイで沈んだはずだからね」 「ワシと加藤はニューギニアの陸軍に補給物資と少年兵を送り届けた後、 佐々木らを驚かせてやろうとラバウルに向かう途中で、じゃったな」 「そのとおり。まさか佐々木少尉がこっちにいるとは思いもしませんでしたが」 「私はベルリンに侵攻したソ連機甲部隊を攻撃し、敵戦爆連合に突撃したな」 「……オレも沖縄に向かう特攻隊を護衛した後、任務を終えた母機を 逃がすために米艦上機の群れに突っ込んだ」 「私は、『震電』の完成が間に合わなかったために散っていった搭乗員たちに 詫びたはずでした。 気がつけば回していない発動機が全開で砂漠を飛んでましたけどね」 冗談でも言うように皆笑っていた。まだ信じられない燕の頬を、彼女と 視線を合わせるようにかがみ込んだあかぎが優しく包み込む。 「私たちは、自分の意思で決めたの。でも、燕ちゃん、あなたは帰らなきゃダメよ」 燕は裴綻英と霍可可に目を向ける。二人も、笑っていた―― その日。空は澄み渡るように晴れ上がっていた。 クロステルマン伯爵領とガリア王国の間に横たわる国境線。 それはラグドリアン湖に続く一本の川だ。川を挟んで広大な草原と麦畑が 広がり、その向こうに緩やかな稜線が見える。平時であれば麦畑で作業する 農民たちと、時折鳶の声がするくらいの静かな場所は、今、かつてない 緊張に包まれていた。 「……陛下。トリステイン全艦隊の配置が完了致しました」 トリステイン王国空軍艦隊司令長官であるハイデンベルグ侯爵が告げる。 ここはトリステイン王国艦隊の旗艦『ラ・レアル』の指揮所。 トリステイン艦隊は武雄たちからの情報を検討し、主砲の射程が長い 戦列艦以外のすべての艦を下がらせた。近づく前に撃沈されるのでは 意味がないからである。だが、今回の作戦に参加する『ラ・レアル』以下 十隻の戦列艦も、有効射程四千までどれだけの艦が生き残れるかは 神のみぞ知る、だった。 「アルビオン艦隊はどうか」 「はっ。旗艦である巡洋艦『イーストウッド』を先頭に、単縦陣で我が 艦隊に追従しております。 ですが、陛下。たった三隻の巡洋艦では……ジェームズ一世陛下も、 何故戦列艦を我が国に送って下さらなかったのでしょうか?」 ハイデンベルグ侯爵は指揮所のある船尾楼甲板からずっと後方に位置する 異質な巡洋艦に目を向ける。王は、ただ「知らぬ」と答えることしか できなかった。 それは、傍目にも奇妙なフネだった。 巡洋艦らしくスマートな船体に長期航行にも耐える大型のマスト、 そこまではいい。だが艦首部が大きく取られており、そこには帆布を かけられた巨大な『何か』があるだけ。両舷に並ぶ備砲も艦後半部に 集中しており、しかもその数は平均的な巡洋艦と比較して半分以下。 そんな同じ艦形が三隻も。それぞれ竜騎士一個小隊が搭載可能という ことを差し引いても、マストが後方に下げられ上甲板の半分がフラットに された上にそこに件の『何か』があるだけというのは、用兵の常識から かけ離れたものだった。 「竜騎士を効率的に運用するため、にしても奇妙なフネですな」 「アルビオンはここ二十年以上冶金技術の向上など、貴族と平民が官民 一体となった研究を続けていると聞いておるからな。 あれもそのたぐいであろう」 「我が国を実験場に使うとは、あまり良い気分ではありませぬな」 「逆の立場であれば、余は同じことをしただろうがな」 王の言葉に、ハイデンベルグ侯爵は二の句が継げなかった。 艦隊が展開する上空に、マンティコア隊隊長であるカリンはいた。 傍らには副長のド・ゼッサールがいる。鍛え上げた体躯に威厳を持たせるための 髭面と近寄りがたい雰囲気だが、彼も家督を継いだばかりのまだようやく 大人の仲間入りをしたくらいの年頃だ。『烈風』カリンを頂点とする マンティコア隊を支える頭脳として、ド・ゼッサールはカリンとともに 空にあった。 「……来ませんな」 ド・ゼッサールのつぶやきを、カリンは聞き逃さなかった。 「物見の兵からの報告では、もうまもなく稜線から見える頃だな。 敵を確認次第お前たちは毒消しを飲め」 「隊長は?」 「あんなまずいもの飲んで戦えるか。まぁ、敵の射程を教えてくれたことには 感謝するがな」 魔法衛士隊統合参謀長のサンドリオンがこの場にいれば叱責された であろうその言葉を、ド・ゼッサールは飲み込んだ。王の後詰めとして 王宮にいる人間では、最前線まで声は届かない。そしてそれは伝説の 隊長であれば『毒』を喰らうこともないという、過信が呼び起こした ものでもあった。だが、一抹の不安がド・ゼッサールの顔に陰りを差す。 「……そんな顔をするな。ぼくの分は、もらえなかった誰かにやってくれ。 お守りにはなるだろう」 そう言って、カリンは油紙の包みをド・ゼッサールに渡した。 それは彼から割り当ての都合でもらえなかった新婚の魔法衛士に手渡される。 数の少ない秘薬を上位の将校から割り振ったため、魔法衛士隊でも下級の者には 配給されなかったのだ。もちろん、竜騎士隊や大多数の兵は言うに及ばず、 である。 そこに、前方から旗艦『ラ・レアル』に竜騎士が滑り込む。 その意味は明らかだった。 「来たか。全騎攻撃準備!パーティを始めるぞ!艦隊とともに前進し、 主砲斉射後に突撃する!」 カリンの号は、マンティコア隊だけでなくド・ワルド子爵率いる グリフォン隊にも響き渡った。同時に、彼らの上空に待機していた 第二、第三竜騎士大隊にも。第二竜騎士大隊を指揮するギンヌメール伯爵は、 麾下の竜騎士たちに命令する。 「我々は先行して上空待機。艦砲射撃に続いて上空から一気にかぶりつく! 距離一万からは敵の領域だ。炎や光が見えたらすぐ回避行動に移れ!」 「「了解!」」 大隊長の命令に士気旺盛な竜騎士たちの声が轟く。この戦いはただでは 済まない――皆そう考えていた。 「……敵影確認!まっすぐこちらに向かってきます!」 斥候の竜騎士からの報告からすぐのこと。太陽が高く昇る中、稜線の 向こうから巨大な影が現れた。馬よりも速い移動速度で、どんどんこちらに 近づいてくる。国境線である川に達するのも時間の問題だった。 「敵が国境を越えるまで手を出すな!両舷最大戦速!風石にありったけの 魔力を込めろ!後続の艦にも発光信号で伝達。急げ!」 「なんと……まがまがしい姿よ」 指示を飛ばすハイデンベルグ侯爵の後ろで、フィリップ三世は指揮所に 据え付けられた簡易の玉座から立ち上がる。『遠見』の魔法を映し出した その両目は、迫り来る『キョウリュウ』を捉えて離さなかった。 「俺も出る!ルーリー、ペラ回してくれ!」 「分かった。……重いんだよ……これは」 敵影見ゆの報に接し、武雄も発進準備をする。 本来なら始動機の転把(この場合はフライホイールに接続されている クランクハンドルのこと)を回して発動機を始動するが、ここではその機材が ない。そもそもタルブの村での機材そのものが、あかぎの頭の中にあった 設計図から部品をそれぞれ別々の鍛冶屋に頼んで作成したものを組み立てて 使っているのだ。なので、今はルーリーが『念力』の魔法で強制的に プロペラを動かして始動させることになる。 時間をかけてどんどん回してプロペラが十分空転したところで、武雄が 「点火!」の声と同時に計器板の点火スイッチを入れる。栄一二型発動機が うなりを上げてプロペラが力強く回り始め、ルーリーが髪を抑えつつ 機体から離れた。 「行ってくる!」 「アタシも最後の締めに参加する!気をつけてな!」 複座零戦がするりと動き始め、なだらかな草原を滑走し始める。尾輪を 浮き上がらせ、そのまま空に舞い上がる複座零戦。片脚ずつ主脚を格納するのを 見届けた後、ルーリーも待機していた竜騎士とともに前線の『ラ・レアル』に 合流するため飛び立った。 「敵、国境を越えます!距離八千!」 「アルビオン艦隊、戦列を離れます!」 「何だと?単縦陣のまま、敵前を横切るつもりか?だがこの距離では!」 その報告にフィリップ三世が驚きの声を上げる。その顔がさらに驚愕に変わる。 「な、何だあれは!?」 巡洋艦『イーストウッド』を旗艦とする三隻のアルビオン艦隊の艦首に あった帆布が取り払われ、隠されていたものがあらわになる。 それは――見たこともない長砲身の大砲だった。 「これより我が艦隊は丁字戦法にて敵『キョウリュウ』を撃滅する。 主砲覆いを外せ!目標、『キョウリュウ』!主砲発射後に竜騎士隊全騎発艦!」 アルビオン派遣艦隊司令官を兼任する『イーストウッド』艦長 サー・アレクシオスが命令する。 命令によって外される、主砲を覆い隠していた帆布。そこに現れたのは、 近代的なバーベットと、それに守られた三五口径二四サント単装砲。 二十年かけて工作機械の技術水準を引き上げ、さらに五年の歳月を費やして 製造された、オリジナルに劣るところこそあれ、多くの犠牲を払いながらも ハルケギニアの人間の手だけでようやく生み出した『畝傍』の主砲の コピーだった。 アルビオン王国にとって、エンタープライズ家より献上された 『場違いな工芸品』――巡洋艦『畝傍』は、まさに宝の山だった。 機関、砲熕兵器、装甲、どれをとっても今のハルケギニアの技術水準を 大きく上回り、これらをものにできればアルビオンの技術水準は大いに 向上し、ハルケギニアにおける軍事的地位も頂点に達することは確実だった。 だが、それらの複製には多くの困難が待ち受けていた。機関や砲熕兵器は 特殊鋼を鋳造したものを削り出した部品を多用しており、その製造は ゲルマニアの最新鋭の足踏み式旋盤などの工作機械でも到底不可能だった。 特に水力などを利用する大型旋盤の発展は不可欠で、このためにアルビオンでは 貴族、平民を問わず官民一体で地道な発展作業を続けることになった。 しかも、ロマリアに異端審問されないように内密に。 それは、旋盤で加工したより硬度の高い金属で新たな旋盤を作成し、 さらに硬度の高い金属を加工して……を繰り返す、地道な作業だ。 これの達成には二十年の歳月がかかり、平行して蒸気機関、砲熕兵器の 研究も進められた。特に主砲の材質については、持ち帰った主砲を試射した際に 新設した架台の強度不足と不適切な装薬の取り扱いで腔発事故を起こし、 破損した砲身を研究したことが大きかった。彼らの犠牲と献身により、 アルビオンは秘密裏にその技術水準において他国を圧倒することになる。 また最大の問題であった特殊鋼は、ハルケギニアでは未だ利用されていない 未知の金属であるニッケルに代わり、ゲルマニアで産出され、主に陶芸や ワニスの防腐剤に使われるボロンを添加することで比較的近い強度のものが 精錬できることが分かり、砲身の製造にはこれが用いられることになった。 それはメイジの魔法だけでは達成できない、平民の知識と経験、卓越した 職人技を併用した国家規模の努力の結晶だった。 『イーストウッド』級巡洋艦は、この主砲を運用する専用艦として 建造された。主砲が二四サントに決定されたのも、残された『畝傍』の 砲弾と装薬を使用できるようにするためだ。 本来は『畝傍』のようにフネを装甲で覆い、複数の主砲を搭載するべき なのだが、風石を使用するハルケギニアの帆走式軍艦では、積載重量が 過大となり、まともに飛べない有様となった。開発中の蒸気機関がものに なればその問題も解決されるのであろうが、それにはまだ時間を必要とした。 そのため、主砲を一門だけ搭載した艦を複数同時運用し、快速を生かして アウトレンジで敵を撃滅する方針がとられた。つまり、複数の軍艦を 一隻の大型艦として運用する方法をアルビオン空軍は選択したのである。 竜騎士の搭載は副次的なものだ。要するに、重量過大で積めなくなった ものを降ろして空いた部屋にとりあえず積み込んだ、ということだったが、 これは本級の意図を隠す絶好のカムフラージュとなったのだった―― 「主砲旋回急げ!トリステイン艦隊に発光信号!『我コノ一撃ヲモッテ勝利ヘノ号砲トナス』だ!」 サー・アレクシオスが命令する。『イーストウッド』級の主砲の旋回は 人力だ。時間はかかるが、現在ではそれに代わるものがない。実戦での 旋回は初めてのため、これが以後の研究課題となるだろうと彼は考えていた。 『イーストウッド』と僚艦『レーガン』、『ブッシュ』は、見事な 艦隊運動で『キョウリュウ』をその射程に捉える。 「撃てぃ!」 サー・アレクシオスの号令で、『イーストウッド』『レーガン』 『ブッシュ』が主砲を発射する。わずかな遅れはそれぞれの弾道を安定 させることになるが、彼らはそれを訓練で熟知していた。主砲が爆発 したかのような猛烈な火炎とトリステインの人間が今まで聞いたこともない 衝撃波を伴った轟雷のような音が轟き、音速を超えた砲弾が八千メイルの 距離を飛び越えて着弾した。大きく舞い上がる土埃。その光景にトリステイン艦隊は 言葉を失い……そして歓喜した。 「な、なんという……」 「ジェームズめ……こんなものを開発しておったのか」 トリステインの首脳部は、アルビオンが『たった三隻の巡洋艦』を 派遣してきたのではないことを知った。彼らは、この未曾有の事態に 『最新鋭の巨砲三門』を送ってきたのだと。 それと同時に、彼らはアルビオンが敵でないことを始祖に感謝した。 「全軍突撃!我らも早く攻撃に転じよ!」 フィリップ三世が檄を飛ばす。その声に呼応するように、旗艦 『ラ・レアル』以下、トリステイン艦隊が最大戦速で距離を詰める。 やがて……土埃が晴れた。 「バカな。直撃があったはずだ……くそっ。手を休めるな!次弾装填! 次は虎の子の徹甲弾をくれてやれ!」 『遠見』の魔法を使って状況を確認したサー・アレクシオスは手を休めない。 発光信号で命令が『レーガン』以下に伝達される。だが、そのとき、 彼の背筋に悪寒が走った。 「いかん!下げ舵六〇!総員、何かにつかまれ!」 サー・アレクシオスは『イーストウッド』を急速降下させる。 追随する『レーガン』。だが、最後尾の『ブッシュ』は遅れた。 それまで『イーストウッド』がいた場所を、赤い輝きが貫く。それは なぎ払うように横に滑った。そして……『イーストウッド』を轟音と 衝撃波が襲う。 「な……アーガス……」 サー・アレクシオスは、兵学校の同期であり、『ブッシュ』艦長だった 親友の名を呼ぶ。『ブッシュ』がいた場所は――燃え盛る炎が落ちていく だけになっていた。『キョウリュウ』の攻撃であることは、明白だった。 「『レーガン』、前に出ます!」 「何だと!?デビアス、俺の盾になるつもりか?!」 サー・アレクシオスが歯がみする。『レーガン』も、さっきの攻撃を 完全に回避できたわけではなかった。マストが折れ、速力が落ちていることは 傍目にも分かった。やがて、『我先行ス。狙イ撃テ』の発光信号が 『イーストウッド』に届けられた。 「マービィ!生きてるか!」 「カニンガムか……エメラルド小隊は俺たち残して全滅だ。発艦中に 母艦がやられた」 『イーストウッド』から発艦したガーネット小隊の隊長、カニンガム大尉が、 『ブッシュ』に搭載されていたエメラルド小隊の隊長、マービィ大尉たちと 合流する。 「ジャーバス、無事だったか。ミネルバ中尉も」 「グレッグか。何とかな」 「ああ、あたしらが発艦した直後、フネを赤い光がなぎ払ったんだよ。 それで終わりさ」 グレッグの言葉に、ジャーバス少尉とミネルバ中尉が憔悴した声で 応えた。 「けど、このままじゃ終われないねぇ……」 ミネルバ中尉が憎々しげに『キョウリュウ』をにらみつける。 アルビオン竜騎士隊でも珍しい女竜騎士は、今怒りに震えていた。 「お前の言うとおり、このままじゃ終われないさ。 カニンガム。俺たちはこのまま突撃する。ヤツに杖を突き立てないと 気が済まん」 「分かった。援護する。だが、足は俺たちの方が速いぞ。遅れるなよ」 カニンガムが言う。カニンガム大尉率いるガーネット小隊は風竜を、 マービィ大尉率いるエメラルド小隊と、『レーガン』に搭載されている トパーズ小隊は火竜を騎竜としている。その速力差をカニンガム大尉は 心配するが、マービィ大尉はふっと笑った。 「誰に向かって言っている。ミネルバ、ジャーバス、借りは倍にして返すぞ!」 「「アイ・サー!」」 「このままでは……ぼくの『カッター・トルネード』で先制する! 攻撃後、全騎突撃!」 カリンが呪文を唱え始める。それを援護する陣形を組むマンティコア隊。 そのさらに上空から、太陽の中から飛び出すように黒い影――複座零戦が 逆落としに飛び出した。 武雄は九八式射爆照準器からはみ出すくらいまでに、これまでの攻撃で いびつに擬装用皮膚がはげ落ちた『キョウリュウ』に近づき、20ミリ機関砲を 発射する。逆落としの対地攻撃のため、一航過で緩降下に移行して再上昇するが、 そのとき、通信機に怒りと困惑の声が響いた。 『海軍!我々は味方だ!』 「……………………。あいにくだが、俺たちはあんたらを沈めなきゃならねえ」 武雄が憎々しげに応える。今の一撃は頭部天井の乗降ハッチを狙った。 うまくいけば、もう彼らの姿を表に出すことはない。 『ふざけるな!海軍!何のつもりだ!』 「あんたらがあかぎの呼びかけに応えてりゃ、こんなことにはならずに 済んだかもしれないんだよ!」 『な……貴様ぁ何の』 武雄は通信を強制的に打ち切る。その代償は、複座零戦の真後ろを 通りすぎた光。さっきのもそうだが、どうやらあかぎの悪い予感が 当たったらしい。三十年ぶりの実戦に震える機体をなだめつつ、武雄は あかぎに回線を繋いだ。 「あかぎ、聞こえるか?ヤツの武器は原子力光線砲だ。真っ赤な光が 口から照射されている」 『原子力光線砲だったら、目には見えないわ。それはたぶん照準用の 探照灯ね。光とわずかにずれた場所が攻撃されているから、気をつけてね。 私たちももうすぐ到着するから。無茶はしないで』 「了解!……さて、役者が揃うまでお膳立てするか」 武雄は不敵に笑う。空は徐々に暗くなり始めている。 日食が始まったことを示していた。 「……な……あれは、いったい何ですか?空に軍楽隊でも連れてきて いるんですか?それに、あの攻撃は」 「おちつけ、ド・ゼッサール。あれはタルブの『竜の羽衣』だ。 あんなに機敏に動けたんだな……。しかも、今の攻撃は……」 見たこともない光景に慌てるド・ゼッサールを、カリンが制する。 だが、カリンも『竜の羽衣』こと複座零戦の、今まで見せたことのない 機動に言いようのない気持ちがわいてきていた。 「ぼくたちも負けるわけにはいかない!ぼくが先制する!まもなく艦隊の 砲撃があるからそっちにも気をつけろ!」 「隊長!敵がこっちに!」 「躱せ!」 カリンの命令で急遽全騎散開する。その直前まで彼らがいた場所を、 赤い光が貫いた。 赤い光が突撃するアルビオン竜騎士隊をなぎ払う。後ろを振り返る いとまもなく、グレッグは戦友の骨を拾うことすらできない戦場に 歯がみした。 「コンロッド、生きてるか」 「ああ。なんとかな。今のでグレゴリーとギブスンがやられた。 このままじゃ、エメラルド小隊の援護どころか俺たちが全滅するぞ」 コンロッドがそう言ったとたん、頭上を軍勢が通り過ぎたような轟音が 通過する。『イーストウッド』と『レーガン』が主砲を発射したのだ。 残念ながら命中せず、『キョウリュウ』の後ろに土埃の柱を高く舞い上げた だけに終わった。反撃の赤い光を『イーストウッド』は回避するが、 『レーガン』が回避しきれずに徐々に船足を落としていた。 「くそっ。まとめて焼かれたトパーズ小隊よりマシって言うのかよ? 『竜の羽衣』もすごいのは分かったが、あんまり攻撃が効いてるようには 見えないぞ」 「無駄口を叩くな!まもなくトリステイン艦隊も砲撃を開始する。 死んでいった仲間の無念は、俺たちで晴らすんだ!」 カニンガム大尉の叱咤が落ちる士気を食い止める。今の彼らにできることは、 一刻も早く『キョウリュウ』を沈めることだけだった。 「一カ所に固まるな。まとめてなぎ払われるぞ! 小隊単位で飽和攻撃を仕掛ける。第一小隊、私に続け!」 ギンヌメール伯爵が、直属の小隊を引き連れて攻撃を開始する。 その眼前で『キョウリュウ』を竜巻が包み込んだ。マンティコア隊隊長の 『烈風』カリンが、風のスクウェアスペル『カッター・トルネード』を 放ったのだ。真空の層を挟み込んだ荒れ狂う竜巻が『キョウリュウ』を 翻弄する。だが、その重量からか、表面の擬装用皮膚をはがしただけで 倒すには至らなかった。 「烈風どのの魔法でもダメか……。だが、なんとまがまがしい姿よ。 鉄の竜とはよく言ったものだ」 『キョウリュウ』の擬装用皮膚は今の魔法でずいぶんとはがされ、 その下にあった均質圧延装甲の無塗装の地肌が大きく露出している。 その頭部には、武雄の攻撃でうがたれ、破壊された跡が目立つ。武雄が 頭部に集中して攻撃していることを、ギンヌメール伯爵は奇妙に思った。 伯爵は、武雄が『キョウリュウ』の頭部に装備された無線アンテナや 聴音機、潜望鏡などの『目』や『耳』となるもの、そして搭乗ハッチのような 『中に人が乗っていることを知らせる』ものを破壊していることは知らなかった。 もし、伯爵が無線を傍受することができたなら、『キョウリュウ』に 搭乗している帝国陸軍戦車兵たちの怨嗟の声を聞くことができただろう。 だが、それは叶わぬことだった。 「陛下!全艦、敵を射程圏内に捉えました!」 「……我が方の損害は?」 「現在二隻。ですが、総員士気旺盛。いささかの問題もありませぬぞ!」 ハイデンベルグ侯爵が胸を張って王の問いに答える。彼らが乗る 『ラ・レアル』とて、無傷ではない。フィリップ三世は簡易の玉座から 立ち上がると、『キョウリュウ』をにらみつけ、杖を向ける。 「全艦攻撃態勢!敵を撃滅せよ!」 王の号令の元、残存全艦の左舷放列が火を噴いた。 「ふぅ。今の竜巻……あの隊長さんのか」 武雄は乱れた気流から脱し、一息つく。上昇中に見た、マンティコア隊が 隊長を守る布陣を取っていたことから、今の竜巻はカリンが放ったものだと 推測する。ようやく射程に捉えたトリステイン艦隊も砲撃を開始するが、 効果はないように見えた。逆に『キョウリュウ』の反撃で、爆散する 戦列艦すらある。一方で突撃した魔法衛士隊や竜騎士大隊も友軍の砲撃を 見て避けているわけで、通信技術が確立していない戦場の混乱は武雄には 手に取るように分かった。 「骨董品の大砲じゃ通じるわけないが、だからと言ってお前ら撃つな、 なんて言えるわけないしなぁ……」 武雄は再び高度を取る。あかぎから、被曝しないためには放射能が 存在する場所に長居しないこと、汚染されたものを口にしないこと、 そしてなにより汚染された空気を吸い込まないことだと聞いている。 甲状腺保護にヨウ素錠剤は服用したものの、自分たちはあまり長生き できないな、と考え、ふっと笑った。 「……何考えているんだか。俺もヤキが回ったか?」 そのとき、武雄の視界の端にきらりと光るものを見つける。 それが何であるか、武雄にはすぐに分かった。 あかぎは、落下傘降下高度で飛行する連山から落下傘降下して本陣近くの 湖に降り立った。あかぎを降ろした連山はそのまま『キョウリュウ』 目指して飛び去っていく。着水したあかぎは落下傘を投棄し、湖の周辺に 誰もいないことを確認すると、武雄たちいわゆる『竜の羽衣』の乗り手 ――タルブ義勇軍の航空管制を開始する。 あかぎは暗くなった空を見た。日食は進み、もうそれほど時間は残されて いないことは明白だった。 「燕ちゃんたち、遅れないでね」 あかぎには祈ることしかできなかった。 前ページ次ページ萌え萌えゼロ大戦(略)
https://w.atwiki.jp/jwe2008cc/pages/59.html
クラブ名:Derby County FC 本拠地:ダービー スタジアム:プライド・パーク(33,597人) オフィシャルサイト:http //www.dcfc.premiumtv.co.uk/ Ps 08 08-09 09 名前 ST 21 16 16 - ステリョフスキー →パース・グローリー(AUS) CF 14 - ケニー ミラー →レンジャースFC(SCO) CF 10 - アーンショウ →ノッティンガム・フォレスト(ENG) WG 11 - ファーガン →ハル・シティ(ENG) CF 9 10 10 - ビジャ →クルス・アスル(MEX) CF -+ 9 9 - エリントン ←→ワトフォード(ENG) ※未収録 CF + 11 11 9 ホルス ←シェフィールド・ユナイテッド(ENG) ※未収録(07) CF + 20 20 20 スティーヴ デイヴィス ←トランメア(ENG) ※未収録 CF + 34 -- プリヨヴィッチ ←パルマ(ITA) →←ヨーヴィル・タウン(ENG) ※未収録 CF + 32 12 ポーター ←マザーウェル(SCO) ※未収録 ST -+ 25 ディコフ ←レスター・シティ(ENG) ※未収録 CMF 44 8 8 8 サヴェージ CMF 7 - デイヴィッド ジョーンズ →ウォルヴァーハンプトン(ENG) SMF 15 - ルイス →LAギャラクシー(USA) DMF 22 - フェイルハバー →オーフス(DEN) CMF 34 34 - マシュー リチャーズ →ウィコム・ワンダラーズ(ENG) SMF 40 - ガリ →トッテナム(ENG)→アス・ナスル(KSA) SMF 28 18 18 19 バーネス DMF + 4 4 4 ポール グリーン ←ドンカスター(ENG) ※未収録 SMF -+ 6 6 - カズミエルチャク ←→FCポルト(POR) →ヴィトリア・セツバル(POR) SMF + 7 7 10 コモンス ←ノッティンガム・フォレスト(ENG) ※未収録 SMF + 23 23 11 ティール ←バーンズリー(ENG) ※未収録 CMF -+ 25 25 - バラジト ←→アーセナル(ENG) ※未収録 SMF + 26 26 ザドコヴィッチ ←ニューキャッスル・ジェッツ(AUS) ※未収録 SMF + 27 27 16 ピアソン ←ストーク・シティ(ENG) ※未収録 CMF -+ 33 - ペレプロトキン ←スコント・リガ(LAT) ※未収録 CMF -+ 30 - ユーステイス ←→ワトフォード(ENG) ※未収録 CMF + 18 プリングル ←イルクストン・タウン(ENG) ※未収録 CMF -+ 24 リヴァーモア ←トッテナム(ENG)←クルー・アレクサンドラ(ENG) ※未収録 SMF + 7 リー クロフト ←ノーリッジ・シティ(ENG) ※未収録 SMF + 26 ヘンドリー ←シェフィールド・ユナイテッド(ENG) ※未収録 OMF -+ 32 ブライアン ヒューズ ←ハル・シティ(ENG) ※未収録 CB 23 - ダレン ムーア →バーンズリー(ENG) CB 5 17 17 6 リーコック SB 2 - エドワージー →レスター・シティ(ENG)→バートン・アルビオン(ENG) SB 4 3 3 3 マッケヴェリー CB 8 - スタッブス →引退 CB 17 22 22 - トッド →パース・グローリー(AUS) CB 19 21 -- - クラウド デイヴィス →クリスタル・パレス(ENG) SB 27 - ミルズ →マンチェスター・シティ(ENG)→引退 SB 24 -- -- - メアーズ →←マルセイユ(ENG) →バーンリー(ENG) CB 32 24 24 5 アディソン SB 35 -- 35 バーズリー →←ノッツ・カウンティ(ENG) SB + 2 2 2 コノリー ←プリマス・アーガイル(ENG) ※未収録 SB + 5 5 - スチュワート ←ワトフォード(ENG) →シェフィールド・U(ENG) ※未収録 CB + 19 19 - ニャタンガ ←バーンズリー(ENG) →ブリストル・シティ(ENG) ※未収録 SB + 28 28 - アルブレヒトセン ←WBA(ENG) →ミッティラン(DEN) ※未収録 SB + 31 31 ハンソン ←ポート・ヴェイル(ENG) ※未収録 CB + 14 バーカー ←ブラックプール(ENG) ※未収録 CB + 17 バクストン ←バートン・アルビオン(ENG) ※未収録 CB + 23 マーク オブライエン ←昇格 ※未収録 SB + 21 モクシー ←エクセター・シティ(ENG) ※未収録 SB -+ 27 ストール ←フルハム(ENG)←ローゼンボリ(NOR) ※未収録 GK 31 1 1 - キャロル →オーデンセ(DEN) GK 1 12 12 -- プライス →ブレントフォード(ENG) GK 29 - ヒンチクリフ →オックスフォード(ENG)→ウースター・シティ(ENG) GK + 13 13 1 バイウォーター ←イプスウィッチ・タウン(ENG) ※未収録 GK + 13 ディーニー ←バートン・アルビオン(ENG) ※未収録 フォーメーション 選手エディット ホルス HULSE 【適性】★CF 両サイド 【国籍】イングランド 【基本】28歳 右利き A/1/1/1/1 普通型 【顔】 【体】185cm 78kg 【能力】75/39/78/81/83/86/79/84/74/80/71/67/70/68/76/78/75/ 60/54/72/76/74/85/69/50/71 5/5/5 【特殊】 なし 【所属】 シェフィールド・ユナイテッド(ENG)→ダービー・カウンティ(ENG)
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2547.html
薄霧の中を掻き分けるように現れたウェールズをイザベラが訝しげに見やる。 “コイツは本物なのか?”それが彼女の脳裏に浮かんだ最初の疑惑だった。 顔を合わせた事があるといっても数えられる程度、しかも特別に親しかった訳でもない。 ましてや今の彼は記憶の中にある華やかな姿からは遠く懸け離れていた。 それでもイザベラは直感する、これは間違いなくウェールズ本人だと。 もし偽物ならもう少しまともな……それっぽい偽物を使うだろう。 そして、それを裏付けるように彼を目にしたアルビオンの騎士たちがその場で跪いた。 一同は手にした杖を地面に置き、敵意が無い事を証明している。 「ウェールズ殿下……ご存命であられましたか」 「ああ。代わりに多くの臣下の命を失った」 騎士の問いかけに憎しみの篭った声でウェールズは答えた。 戦死したように見せかけて何処かに落ち延びたのだろう、 しかし、その風体を見れば匿ってくれる相手などいなかったのは一目瞭然だ。 あるいは、誰も信用できず連絡さえ取らなかったのかもしれない。 騎士とウェールズの間にチリチリと火花のような張り詰めた緊張感が流れる。 「君はこれまでアルビオン王国の為、家族も名前も捨てて汚れ仕事を一手に引き受けてくれた」 「誰かがやらねばならない事でした。それが偶々私だっただけです」 「だが誰にでも為せる訳ではない。名誉を求めず、汚名を恐れず、真の騎士にしかできない事だ」 “ああ、そうさ、大した物だ”とイザベラは皮肉を抜きにして賞賛を示す。 連中から受けた仕打ちや損害に目を瞑れば、これだけの手勢で各国を翻弄した手腕には感心さえ覚える。 アルビオン王国にとっても処分するには惜しい存在だ。だからこそウェールズは彼を『説得』するつもりなのだ。 「本来の主が戻った今、もはや無意味な命令に従う必要はない。もう一度、私の為に尽力してくれるな?」 そっと騎士の肩にウェールズは手を置いた。それは彼への信頼の表れだけではない。 跪く騎士の耳元に顔を近づけて誰にも聞こえぬよう小さな声で語りかける。 「この計画の首謀者は誰だ。叔父上だけではあるまい」 あまりにも手際が良すぎる。グリフォン衛士隊の取り込み1つにしても情報漏洩もせずに手回しする。 そんな事をアルビオン単独で出来るとは到底思えなかった。 だからこそウェールズは他の国の関与を疑った。 あるいは計画を頓挫させ、アルビオンを悪役に仕立てる謀略ではないのかと。 躊躇するような素振りをしていた騎士が重々しく口を開く。 「殿下、実は……」 ふとイザベラの視線が騎士の足元に落ちた杖に向けられる。 些細な違和感。それが何か彼女に胸騒ぎにも似た焦燥を掻き立てる。 じくりと痛む首の傷痕に、イザベラはハッと思い起こした。 ――――違う。この杖じゃない。 首元に突きつけられた杖を凝視していた彼女だから気付けた。 足元にあるのは、この騎士の杖ではない。恐らくは別の誰かの物。 だったら彼の杖は一体どこに……? 「離れろ! そいつは杖を隠し持ってるぞ!」 答えを導き出すと同時に張り上げられるイザベラの声。 同時に、騎士は掴んだ砂混じりの土を彼女の銃へと投げつけた。 イザベラが持つ銃はハルケギニアにあるどの銃よりも複雑な仕組みをしている。 ならば砂や土が入れば動作不良を起こすのではないか、 仮にそうでなかったとしても暴発を恐れて銃を撃てなくなる。 彼は武器を封じる事で人質を無効化したのだ。 それを合図にアルビオンの兵士達が弾けるように動き出す。 杖を拾った彼等はワルドと、そして背後のアンリエッタへと向かい、 マチルダはティファニアを盾とするイザベラに踊りかかる。 引鉄に指をかけたままイザベラは逡巡した。 暴発を恐れたのではない。仮に暴発したとしてもこの銃では人は死なない。 どちらにせよ脅しが通じなくなったのなら人質の意味はない。 銃を投げつけるか――ダメだ、悪足掻きと思われるのがオチだ。 撃つか――人質が死んだと激昂されて殺されるかもしれない。 いい作戦が思い浮かぶまでの間、その僅かな時間を稼ぐ為、 恥も外聞もなくイザベラは人質を羽交い絞めにした。 これなら礫も飛ばせないしゴーレムで殴りかかってもこれない。 あと十秒、それだけあれば何とかなる。つーか、ならなかったらアタシが死ぬ。 ウェールズを引き倒して馬乗りになった騎士が彼の首へと杖を突きつける。 しかし、それを寸前で彼は杖で受け止める。互いの魔力の衝突が電流のように迸った。 「何故だ! 何故私に杖を向ける!? 君はアルビオン王国に忠誠を誓ったのではないのか!」 「だからこそです殿下。貴方が生きていれば必ず国は二つに割れる。 ようやく落ち着きを取り戻したアルビオンに貴方の存在は要らぬ波紋を呼ぶのです」 万力で締め付けるかの如く、じりじりと騎士の杖がウェールズの首に迫り来る。 彼が仕えているのは王家ではなく王国そのもの。国を存続させる為ならば誰であろうとも殺せる。 政争の道具として利用されぬように王が内緒で作った妾を腹の子ごと事故死させた事もある。 正しいかどうかではない、誰かがやらねばならない事なのだと彼は確信していた。 「タルカス。ブラフォード。貴方達はワルド子爵の援護を」 「御意」 ロングビルの命を受けて傍に控えてきた騎士二人が駆ける。 杖ではなく剣を抜き、彼等はワルド子爵を抜こうとする兵士達に立ち向かう。 タルカスと呼ばれた巨体の騎士が彼等に鉄板じみた大剣を振り下ろす。 かろうじて避けた兵士の目の前で、叩きつけられた刃が大地を切り裂く。 人の枠を超えた膂力に慄きながらも兵士はタルカスの懐へと飛び込む。 突き刺さった剣は半ばまで地面に喰い込んでいる。 これでは振り上げる事はおろか抜く事さえできない。 力任せの剣技を鼻で笑い飛ばしながら鎧の隙間に杖を差し向ける。 直後。男の身体は舞い上がる土砂と共に両断された。 噴火さながら地面を吹き飛ばしながらタルカスは地盤ごと男を斬り上げていた。 その土砂に紛れてブラフォードと呼ばれた長身の騎士が兵士に組み付く。 だが、それは投げる為でも関節を極める為でもない。 両の手首を掴んで杖を振れないようにするだけの稚拙な動作。 確かに魔法は封じられた。だが騎士の両腕も塞がっている。 これでは如何なる方法を用いても相手を倒す事はできない。 ただの時間稼ぎと察した兵士が腕を振り解こうとした瞬間だった。 ざくん、と何処からともなく飛来した刃が兵士の首を両断した。 飛び散る血飛沫で視界が染まる直前、彼が目にしたのは騎士の髪に結び付けられた一本の剣。 それが彼の命を奪った死神の鎌の正体だった。 「待ってろ! 今行く!」 サイトが声を上げる。 誰を助けに行けばいいのか分からない乱戦の中、 彼は一目散にルイズの所へ向かおうと駆け出そうとした。 しかしその直後、才人は唐突に背後に引っ張られた。 見れば、青い髪の少女が自分のパーカーをぎゅっと握り締めていた。 あ、と呟く声が形の良い唇から洩れる。 どうしてそんな事をしてしまったのか分からない、そんな様子だった。 戸惑う少女を前に才人は何も言えなかった。 怯えている子に勇気を与える台詞も騙す口車も彼には思いつかない。 一瞬の空白。その僅かな間隙をこの男は逃さなかった。 「ハッ!」 その掛け声に振り返った時には既に手遅れだった。 飛び立つ衛士隊のグリフォンに必死にしかみつきながらセレスタンは残った片腕で手綱を引く。 戦場を逃げ出すセレスタンとそれを見上げる才人の視線が虚空で交わる。 嘲笑と殺意、その両方がない混ぜになった凶悪な笑みを目にした才人の手が震える。 ワルドと比較すれば決して強敵ではなかった。なのに才人の心中には拭いきれない不安が込み上げていた。 そんな彼の手をシャルロットは温めるように握り締めた。 「いちゃついてる場合か! さっさと助けに来い!」 手を繋ぐ才人とシャルロットにイザベラの怒号が飛ぶ。 マチルダの作り出したゴーレム数体が彼女を包囲しつつ距離を狭める、 そんなのっぴきならない状況に追い込まれた彼女にはほとんど余裕などなかった。 ティファニアを巻き込む危険がある以上、彼女が一撃で殺される心配はない。 だけどイザベラには武器もティファニアの首をへし折るだけの腕力もない。 ゴーレムに一斉に飛びかかられたら人質に危害を加える間もなく取り押さえられる。 それをしないのは怪我さえ負わせたくないからだろう。しかし、それもどこまで持つか。 じとりとイザベラは役立たずどもを睨みつける。 だが、そこにあったのは彼女の視線に萎縮する二人の姿ではない。 シャルロット達が驚愕と焦りに満ちた眼差しでこちらを見やる。 いや、違う。見ているのは私じゃなくて、その背後――。 イザベラが振り返るよりも早く彼女の首筋に鈍い衝撃が走った。 ぐるりと歪みながら回る視界の中で彼女は自身の背後に立つゴーレムを見た。 周りを取り囲んでいたのはそちらに注意を向ける囮。背後に作っておいた一体が本命だった。 “ああ、やっぱりこうなったか”地面に崩れ落ちながら彼女は自嘲する。 いくらイザベラが知恵が回ろうとも戦いになれば彼女に勝ち目はない。 ワルドやカステルモールならばこんな見え透いた不意打ちなど受けたりはしない。 羽交い絞めにした腕が解ける。人質を放して倒れる彼女の頭へ追撃が迫る。 刹那。シャルロットの手を振り払って才人が駆ける。 「――――やめてっ!!」 あらん限りの力を振り絞って張り上げられたティファニアの声に、 マチルダに突き付けられた才人の剣と、イザベラに振り下ろされた石の拳が止まる。 はあはあと息を荒げながら瞳に涙を浮かべて見上げる彼女にマチルダはたじろぐ。 後ろめたい自分を見透かされているような気がしてマチルダは声を荒げた。 「下がってなテファ! これはアンタの為でもあるんだ!」 杖を握るマチルダの手は震えていた。そう思わなければ戦えないほどに。 テファを巻き込むまいと心に誓った事を再び思い起こして己を奮い立たせる。 脳裏に浮かぶ幻影を振り払うように頭を振る彼女をイザベラは伏したまま嘲笑する。 「どうした? さっさとやれよ、カステルモールをやった時みたいにな」 その言葉により鮮明になった幻影が彼女の脳裏に悪夢のように纏わり付く。 イザベラの語った言葉の意味を理解したティファニアの表情が急速に蒼褪めていく。 彼女の視線から逃れるように目を逸らしたマチルダが苦しげに歯を食いしばる。 もう引き返すことはできない。なら、このまま突き進むしかない。 言われずとも、と杖を振り上げようとしたマチルダに才人は戸惑いながら告げる。 「えと、カステルモールなら生きてるよ。俺、あの人にフェイスチェンジかけてもらったんだ」 ぴたりと掲げた杖が止まる。それは彼女にとって最後の分岐点だった。 まだ彼女は最後の一線を越えていなかった。しかし、この杖を振り下ろせば……。 迷うマチルダの手にそっとティファニアが寄り添うように手を重ねる。 「私の為だと言うなら尚更やめて。私、ねえさんのそんなつらそうな表情見たくない」 カランとマチルダの手から杖が零れ落ちる。 戦う理由を失った彼女にはもう抗うだけの力は残されていなかった。 泣き崩れるようにティファニアを抱き締めるマチルダ。 よく状況を呑み込めていないが丸く収まったのだろうと才人がうんうん頷く。 その才人をノロマだのグズだの罵りながらイザベラが助け起こすように命じる。 そんな光景を、森の奥から小さな人形たちが見つめていた。 手には矢を番えたボウガン。その照準はマチルダへと向けられていた。 命拾いしたのはイザベラではなくマチルダの方だった。 もし僅かでも杖を振り下ろす姿勢を見せていれば、 ロングビルの操るアルヴィーは何の躊躇もなく引鉄を引いただろう。 アルヴィー達が照準をマチルダからウェールズに組みつく騎士へと移す。 騎士の目に映るのはウェールズの姿だけだった。 グリフォン隊の指揮権をワルドが取り戻し、残された部下も悉く葬られた。 マチルダはティファニアと共に降参し、未だに戦い続けているのは自分一人。 計画が全て雲散霧消と化した以上、せめてウェールズ殿下だけでも道連れにするつもりだった。 だが、その覚悟は降り注ぐ矢の雨に阻まれる。 騎士の眼を、腕を、喉を、脇腹を、冷たい鉄が貫いていく。 ぐらりと崩れる騎士の身体を押し返してウェールズは逆に馬乗りとなる。 矢に穿たれた眼には、突きつけられた杖もそれを向けるウェールズの姿も映らない。 見えるのはただ心の内にだけ浮かぶ故郷の姿。 「……この計画に黒幕などいませんよ。全ては私たちの暴発、王も誰も関与していません。 マチルダ様もサウスゴータ伯爵の名を使って引き込んだだけの事。……そういう事にできませんか?」 「戯言を!」 ごぶりと血を吐き出しながら弁明する騎士に容赦なくウェールズは杖を突き立てた。 打ち込まれた風の刃は寸分違わず騎士の心臓を貫き、辺りに鮮血を撒き散らした。 隠れ家から出てきたエンポリオに助け起こされながらイザベラはその光景を眼に焼き付けた。 人質を盾に取り、傭兵を捨て駒にし、自分の部下さえ切り捨て、罪なき人間を多く巻き込んだ。 それは人々が想像する騎士とはあまりにも懸け離れた姿。男がこうなったのは必然だったのかもしれない。 人はコイツを外道と思うかもしれない。私もそう思う。そこに変わりはない。 だけど奴が守ろうとしたのは尊い物だった。たとえ謗られようとも、そうしなければならなかった。 奴は奴なりにこの世界を良くしようとした。その悲願を理解しようという気持ちは更々ない。 だけど軽蔑はしないでやる。敵味方に別れようと、それが私に出来る最大の手向けだ……。 「終わったのですか?」 アンリエッタがウェールズに訊ねるように声をかけた。 ワルドと二人の異様な騎士は彼女達に群がる残敵を掃討し尽くし、 マチルダやグリフォン隊には戦う気力もなく、主犯である騎士もウェールズの手により始末された。 もう彼女達に迫る脅威はここには存在しない。だから終わったのだと彼女は確認を取ろうとした。 「――――いや、まだだ」 杖に付いた血を拭き取りながらウェールズは“最後の敵”へと振り返った。 その視線の先にいたのはマチルダではなくティファニア。 瞳に宿る憎悪を隠す事なくウェールズは彼女の元へと歩み寄る。 そして横薙ぎに自身の杖を一閃させた。 「え?」 何が起きたのかを理解する間もなくティファニアの髪が突風に舞う。 吹き飛ばされたフード、その下からは長く突き出た彼女の耳が現れた。 「エルフ!」 使い魔を除いた、この場にいる全員を代表するようにルイズが叫ぶ。 恐怖と困惑の入り混じった視線が一斉にティファニアへと向けられる。 その眼差しに怯えるように身を縮めた彼女にさらにウェールズは近寄る。 「アルビオン王国を掌握せんが為に父上を謀殺した叔父と、それに手を貸した異教徒との間に生まれた子だ」 怒気を孕ませながらウェールズは吐き捨てるかの如く告げた。 そんな事はないと否定しようとティファニアは声を上げようとした。 だが、ウェールズに一睨みされただけで彼女は恐怖に声を詰まらせた。 「アルビオン王家の血を穢した罪、その命で償ってもらおう」 杖に風を纏わせながら歩むウェールズを誰も止められなかった。 事は彼女等の予想よりも遥かに大きく、他人が口出しできるような状況になかった。 ――唯一人、“そんな事は知ったことじゃねえ”とばかりに飛び出したバカを除いては。 「そこをどけ」 行く手を遮る平民にウェールズが冷徹に言い放つ。 「どかねえよ」 殺意を漲らせた相手を前に臆せず才人が答える。 直後。両者の間で激しい火花が舞い散った。 衝突する剣と杖。互いの得物を振りかざして叫ぶ。 「どけと言っているッ!!」 「どかねえっつってんだろッ!!」 静寂を取り戻した森に、譲れぬ男達の咆哮が木霊した――。
https://w.atwiki.jp/albocraft/
このwikiはアルビオンオンラインEastサーバー所属のプレイヤーが提供する非公式wikiです。 製造・生産やそれに関するデータを中心にまとめていく予定です。 ※当wikiは非公式の攻略wikiです。情報の妥当性や正確性について保証するものではなく、一切の責任を負いかねます。 ※当wikiを利用することによって生じるいかなる損害も当サイトでは補償致しません。 ※ご利用につきましては自己責任となりますのでご注意ください。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/407.html
「今の魔法は何だ?答えろ」 そう質問した瞬間ルイズが凄まじい目でプロシュートを睨み付ける だが生憎プロシュートにとっては相手が貴族だろうと平民だろうと、例え王女であろうと対応は変わらない。 「ディティクト(探知)マジック…どこに耳が、目が光っているかわかりませんからね。驚かせてしまったようで申し訳ありませんでした」 「姫殿下、いけません。姫殿下に乱暴を働いた者に頭を下げるなどと…」 アンリエッタがプロシュートに頭を下げるがそれを見たルイズは必死だ。 もっとも当のプロシュートは涼しい顔でそれを受け流す。 「ああ!ルイズ!ルイズ・フランソワーズ!そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい!あなたとわたくしはお友達!お友達じゃないの!」 「もったいないお言葉でございます。姫殿下」 ルイズが珍しく緊張した声で言ったが、プロシュートはスデに興味なさそーに椅子に座っている。 「やめて!ここには枢機卿も、母上も、あの友達面をしてよってくる欲の皮の突っ張った宮廷貴族たちもいないのですよ!ああ、もう、わたくしには心を許せる おともだちはいないのかしら。昔馴染みの懐かしいルイズ・フランソワーズ、あなたにまで、そんなよそよそしい態度を取られたら、わたくし死んでしまうわ!」 「姫殿下…」 ルイズが顔を上げ心底嬉しそうな笑顔でアンリエッタを見付めた。 以下、延々と昔話に華が咲く 「クリーム菓子を取り合ってケンカしてルイズが常に勝っていた」だの「ドレスの奪い合いでアンリエッタのボディブローがルイズに決まって気絶した」だの プロシュートにとってはどうでもいい事なので適当に聞き流していた。 「…知り合いか?」 「姫様がご幼少のみぎり、恐れ多くも遊び相手を務めさせていただいたのよ」 また話がアンリエッタの言葉尻に影が含まれている事に気付いた。 「どうかされたのですか姫様…?」 「…結婚するのよ。わたくし」 「……おめでとうございます」 普通なら祝うであろう王女の結婚報告だがその沈んだ声を察っするに政略結婚という事がルイズにも理解できた。 そこにアンリエッタが宇宙最強の台詞である「それがどうした」が頭に浮かんで暇そーに椅子に座ってるプロシュートに気付く。 「あら、ごめんなさい。もしかして、お邪魔だったかしら」 「お邪魔?どうして?」 「だって、そこの彼、あなたの恋人なのでしょう?身を挺してあなたを守ってくれたんですもの」 「はい?恋人?あの生き物が?」 その言葉にプロシュートが一瞬反応する。 もしルイズがプロシュート精神の色を知ることができたなら黒に少しだけ赤が混じった事に気付いたであろうが当然それに気付くよしもない。 「姫さま!あれはただの使い魔です!恋人だなんて冗談じゃありません!」 ルイズが首が捩れんばかりにそれを否定する。 「使い魔…?人にしか見えませんが…」 「人です。姫様」 「そうよね。はぁ、ルイズ・フランソワーズ、あなたって昔からどこか変わっていたけれど、相変わらずね」 「好きであれを使い魔にしたわけじゃありません」 憮然としてルイズが返すが、アンリエッタが何回目かのため息を吐いた。 ルイズがその原因を問いただそうとするが思い直したかのようにアンリエッタが話を打ち切ろうとした。 だが、ルイズはそれを振り切るようにしてさらに迫る。 「いけません!昔はなんでも話し合ったじゃございませんか!わたしをお友達と呼んでくださったのは姫様です。そのお友達に、悩みを話せないのですか…?」 その言葉にアンリエッタが決心したかのように頷いき口を開いた。 「今から話すことは、誰にも話してはなりません」 アンリエッタがプロシュートの方をちらっと見てきた。 「オレの任務は護衛だからな…どんな事であれ話は聞かせてもらう」 「メイジにとって使い魔は一心同体。席を外す理由などありません」 そのまま沈んだ調子で語りだす。 「わたくしは、ゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったのですが……」 「あんな野蛮な成り上がりどもの国に!?」 ハルケギニアの地理に全く詳しくないプロシュートがルイズに問う。 「ゲルマニアってのは何だ?」 「トリステインの北東にある国でお金さえ積めば平民でも貴族になる事ができる野蛮な国よ!」 「そうよ。でも仕方がないの。成り上がりの国とはいえ同盟を結ぶためなのですから…」 アンリエッタがルイズにハルケギニアの政治情勢を説明する。 アルビオンで反乱が起き王室が倒れそうであり、このまま行けば侵攻されるのはトリステインであり それに対抗するための同盟をアルビオンの貴族派が望んでおらずそれを妨げる材料を探している事を だがその説明を聞いているプロシュートの精神はさらに朱に染まっていっている。 大体の事情が飲み込めたのかルイズが顔を蒼白にして問う。 「で、もしかして、姫さまの婚姻をさまたげるような材料が…?」 「おお、始祖ブリミルよ……、この不幸な姫をお許しください……」 アンリエッタが顔を両手で覆い床に崩れ落ちた。ルイズは半分混乱しているようだがプロシュートは冷めた目でそれを見ている。 ルイズもそれにつられたのか興奮したようすでそれを問いただす。 「……わたくしが以前したためた一通の手紙なのです」 要は、アンリエッタが王家のウェールズ皇太子とやらいに宛てた手紙をその皇太子が持っており 皇太子が捕らえられ、その手紙が『ヤバイゲルマニアにIN!』すれば同盟の話が消し飛びトリステイン一国でアルビオンとドンパチやらねばならないという事だ。 「では、姫さま、わたしに頼みたいことというのは……」 「つまり奪還任務ってわけか…?」 心の奥底に沸き立つ赤い物を隠しながらプロシュートがアンリエッタにそう問いかける。 「無理よ!無理よルイズ!わたくしったら、なんてことでしょう!混乱しているんだわ! 考えてみれば、貴族と王党派が争いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて 危険なこと、頼めるわけがありませんわ!」 「何をおっしゃいます!たとえ地獄の釜の中だろうが、竜のアギトの中だろうが、姫さまの御為とあらば、 何処なりと向かいますわ!姫さまとトリステインの危機を、このラ・ヴァリエール公爵家の三女、ルイズ・フランソワーズ、見過ごすわけには参りません!」 ルイズは膝を突き恭しく頭を下げる。 「このわたくしの力になってくれるというの?ルイズ・フランソワーズ!懐かしいお友達!」 熱血少年漫画の如く友情を確認しあう二人だが、プロシュートの方は冷静だ。 「アルビオンに赴きウェールズ皇太子を捜し、手紙を取り戻してくればよいのですね?姫様」 「ええ、そのとおりです。ですが礼儀知らずのあの人たちはかわいそうな王様を捕まえて縛り首にしようとしています! わたくしは思います。この世の全ての人々が、あの愚かな反乱行為を赦してもわたくしと始祖ブリミルは赦しませんわ。ええ、赦しませんとも!」 プロシュート達自身が組織を裏切った。いわば組織に対しての『反乱』である。 国と組織の違いとは言え、やっている事は同じだ。 その事をこの世間知らずもいいとこな姫様に『愚かな行為』と言われ『赦さない』と言われた。 それが致命だった。アンリエッタがそういい終えた瞬間プロシュートの精神が全て真紅に染まった。 だが、いい具合に二人の世界に突入しているルイズとアンリエッタは気付いていない。 「一命にかけても。急ぎなのですか?」 「アルビオンの貴族たちは王党派を国の端にまで追いつめています。敗戦も時間の問題でしょう」 「早速明朝にでも出立いたします!」 そうルイズが返し明朝アルビオンに向かう事になったがアンリエッタがプロシュートの方を見つめた。 「頼もしい使い魔さん。私の大事なお友達をこれからもよろしくお願いしますね」 そう言いながら左手を差し出してきた。 だがプロシュートは射抜くような視線をそれに向けただけだ。 「いけません!姫様!そんな、使い魔にお手をを許すなんて!」 「いいのですよ。この方はわたくしのために働いてくださるのです。忠誠には、報いるところがなければなりません」 プロシュートが無言で近付く。 だが二人は気付いていない。プロシュートがそのような事をする為に近付いたのではないという事にッ!! そのままアンリエッタが差し出した左手の前に立ち… 思いっきりッ!その左手をッ!!『踏みつけたッ!!!』 ルイズはその瞬間何が起きたのか理解できなかった。 いや、理解したくなかった。 大切なお友達と言ったばかりのアンリエッタの手を己の使い魔が踏みつけているのだからッ! 「な、なななな何をするだぁーーーーーーーッ!!」 どこぞの英国紳士が憑依したかのようにルイズが叫んだ。 「…ッあ…!」 左手を思いっきり踏まれているアンリエッタだが叫んでは誰かに気付かれるという事もあり声を出さずなんとか耐えていた。 「あんた…!姫様になんて事を…!こここ、この、この生ハ…」 それを言い終える前にプロシュートと目が合ったがそれを見たルイズの声が出なくなる。 目があった瞬間プロシュートの冷徹かつ明確な殺意を持った視線がルイズを刺し貫いていた。 ほぼ同時刻キュルケの部屋 「……なななな何をするだぁーーーーーーッ!!」 「五月蝿いわね…なに騒いでるのかしら…まさかルイズがダーリンを無理矢理…!?」 勘違いもいいとこだが恋は盲目らしく即座に着替えを済ませ隣のルイズの部屋に飛び込んだキュルケが見たものは―― 床にへたり込んだまま動けないでいるルイズと冷徹な目で立ち尽くすプロシュート、そして…手を思いっきり踏まれているアンリエッタがいた。 「ちょっと…これは一体どういう事…?」 一瞬(SMプレイッ!?)と思ったらしいがプロシュートの目を見たキュルケが後日こう語った。 「あ…あの時のダーリンの目…看守が処刑囚でも見るかのように冷たい残酷な目だったわ…『かわいそうだが明日の朝には首だけになってる運命なんだな』って感じの!」 ルイズがそれに押され黙ったのを見るとアンリエッタに向き直り静かに絶対零度まで冷え切った口調で話し始めた。 「テメーに何が分かる…?分かるのか?ええ?おい… 平民が金を積んで貴族に成り上がるのがそんなに野蛮か…?」 「テメーらみてーに生まれ付いての貴族ってのはいいだろうが… その貴族に雑草みてーに踏み付けられてる平民がなりふり構わず成り上がろうとして何が悪い? 成り上がるためにはそれ相応の事をしている…テメーらみたいに生まれた時から平民を支配して当然と思っている貴族共より余程マシってもんだ…」 「ここに召喚されてから感じた事だがテメーら貴族の中に平民と対等に付き合ったヤツがいんのか…? いねーだろうな…オレ自身、あのマンモーニを殺すまで平民の使い魔と呼ばれ貴族共から人間以下の扱いしか受けてなかったからな…オメーもそうだぜ?ルイズよォ~~」 「言うに事欠いて『反乱』が『愚かな行為』で『赦せない』だと? 分かるのか?テメーに…今まで組織に冷遇され『反乱』せざるをえなかったオレ達チームの心がッ! 命がけで任務を成しても何一つ信頼されず『シマ』すら与えられなかったオレ達の『栄光』を求めた『反乱』の何が赦せないだと?」 「アルビオンの貴族連中がどんな理由で反乱を起こしたのかは知らねぇ… だがテメーが言ってる事は踏みつけられた平民が貴族に対して反乱を起こしてもそれを『愚かな行為』だと言ってるのと同じなんだぜ…?」 自分達が命を賭けて起こした組織への反乱。それをこんな何も知らないようなヤツに否定されたと受け取った。 「テメー自身が撒いた種が原因で『不幸な姫』って言ってるのも気に入らねぇ…奪還任務を依頼するってのはいい… 上に立つものが直接やるわけにもいかねーしな…だがオメーはその任務で人が死ぬかもしれないって事を『覚悟』してんのか?」 「その責任を理解せずルイズやオレが死ぬって事を覚悟してねーんならテメー1人で行くんだな… 少なくともオレ達チームのリーダーはその『覚悟』を持って組織を離反したんだぜ…」 そう言い放ちアンリエッタの左手から足を離し部屋の外に出る前にルイズに言う。 「オメー自身が納得できたんならこの任務を受けろ。オレの任務はオメーの護衛だからな… だがそいつがその『覚悟』と『責任』をまだ理解できてねーなら受けるな」 プロシュートが部屋を出てからしばらくすると放心状態だったルイズとキュルケが手を押さえながら蹲っているアンリエッタに気付いた。 「……はッ!姫様!今すぐ治癒魔法!!」 「…構いません」 「ですが…!」 さっきまでとは違い、毅然とした態度でルイズの目をアンリエッタが見据え改めて奪還を依頼した。 「使い魔…いえ、彼の言うとおりです。わたくしはあなたの同情を買うかのようにこの事を頼んでしまいました。 ですが、今は違います。『覚悟』と『責任』を持ってルイズ…貴方に手紙の奪還を依頼します。」 「もちろんですわ…!姫様!」 「この傷は…あなたが無事に戻ってくるまで治さずにおきます」 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール&プロシュート兄貴―ザ・ニュー任務! ←To be continued 戻る< 目次 続く
https://w.atwiki.jp/kenkyotsukaima/pages/39.html
謙虚な使い魔~アルビオンの幻影~ ルイズ達を乗せた黒き軍艦『イーグル』号は、浮遊大陸アルビオンの空岸線に沿って、雲に隠れるようにして航海した。三時間ばかり進むと、大陸。 岬の突端には、目的のニューキャッスルの城がそびえている。 、『イル』号は真っ直ぐニューカッスルに向かわず、大にもぐりこむような針路をとった。 グル』号が大陸の影の一部となったとき、遠く離れた岬の突端の上から、ニューカッスルへと降下してくる巨大な軍艦をウェールズが指差した。 「叛徒どもの、艦だ」 全長は『イーグル』号の優に二倍はある。舷側からは無数の大砲が突き出て、その艦上には火竜に跨る竜騎兵が舞っている。 巨艦が空したかと思うと、スルの城をめがけて並んだ砲門を一斉に開いた。 どこどこどっこーん、と、斉射の振動がルイズ達まで伝わってくる。 砲弾の雨が城に着弾し、城壁の一部を砕き、小さな国艦隊旗艦、『ロイヤル・ソヴリン』号だ。叛徒どもが手中に収めてからは、『レキシントン』と名前を変えている。あの艦の反乱から、すべてが始まった因縁の艦手にできるわけもないので、こうして雲中を通り、大陸の下に設けられた、我々しか知らない秘密の港を使ってニューカッスルに向かっているのだ」 『イーグル』号が大陸の下に潜り込むといので、辺りは真っ暗になった。 「大陸に座礁する危険があるからと、空を知らぬ無粋な叛徒どもは大陸の下には絶対近寄ろうとしないが、なに、地形図と測量だけで航海する事は王立空軍の航海士にとっては造作もないことなのだが」 ウェールズの命令の下、暗闇の中でも『イーグル』号の水兵達はきびきびと動き、正確な位置で停船し、頭上にぽっかりと開いている穴に向かって、ゆるゆると上昇する。 『イーグル』号の航海士が乗り込んだ『マリー・ガラント』号が後に続く。 ワルドが頷いた。 「まるで空賊ですな。殿下」 「まさに空賊なのだよ。子爵」 艦はニューカッスル地下にある鍾乳洞に設けられた秘密の港に到着した。 鍾乳洞の岸壁の上に待ち構えていた大勢の港の者達が、『イーグル号』に向けて一斉にもやいの縄を投げた。 『イーグル』号の水兵たちは、要領よくそれを受け取ると艦にゆわいつけ、艦を岸壁へと引き寄せ入港をすませる。 ウェールズはルイズ達を促し、艦に取り付けられたタラップを降りた。 背の高い、年老いた老メイジが近寄ってきて、ウェールズの労をね、大した戦果ですな。殿下」 「喜べ、パリー。硫黄だ、硫黄!」 ウェールズがそう叫ぶと、集まった兵隊がうおぉーっと歓声をあげた。 「おお!硫黄ですと!火の秘薬ではござらぬか!これで我々の名誉も、守られれるというものですな!先の陛下よりお仕えして六十年・・・・・・こんな嬉しい日はありませぬぞ、殿下反乱がおこってからは、苦渋を舐めっぱなしでありましたが、なに、これだけの硫黄があれば・・・・・・」 にっこりとウェールズは笑った。 「王家の誇りと名誉を、叛徒どもに示しつつ、散ることができるだろう」 「栄光のある散り様を飾れますな!この老骨、武者震いがいたしますぞ!して、ご報告なのですが、叛徒どもは明日の正午に、攻城を開始するとの旨、伝えて参りました。まったく、殿下が間に合ってよかったですわい」 「してみると間一髪とはまさにこの事!戦に間に合わぬは、これ武人の恥だからな」 ウェールズとパリーと呼ばれた老メイジは二人して心底楽しそうに笑いあっている。 ルイズは二人の会話に、顔色を変えた。なぜ死ぬという事を、ここまで楽しそうに語れるのか? 「して、その方達は?」 老メイジが、ルイズ達を見て、ウェールズに尋ねる。 「トリステインからの大使殿だ。重要な用件で参られたのだ」 「これはこれは大使殿。殿下の侍従を仰せつかっておりまする。パリーでございます。このような時ですが、遠路はるばる、ようこそこのアルビオン王国へいらっしゃった。大したもてなしは出来ませぬが、今夜はささやかな祝宴が催されます。是非とも出席くださいませ」 ルイズ達は、ウェールズに付き従い、城内の彼の居室へと向かった。 ウェールズの部屋は、粗末なベッドに、机と椅子が一組の鍵穴にそれを差し込み、箱を開けた。 蓋の内側には、アンリエッタの肖像が描かれている。 小箱の中には一通の羊皮紙を丸めた手紙が入っていた。 それが王女からのものであるらしい。 ウェールズはそれを取り出し、愛しそうに口づけた後、開いてゆっくりと読み返した。 そして、ウェールズは再びその手紙を丁寧に丸めると、ルイズに手渡した。 「これが姫から頂いた手紙だ。このとおり、確かに返却したぞ」 ルイズは深々と頭を下げると、その手紙を受け取った。 そして、その手紙をブロントに手渡す。 「ブロント、あんたのカバンの中が一番安全だから代わりにもっていて」 ブロントは手渡された手紙を厳重にカバンのだいじなものの所へと仕舞った。 ルイズは少し戸惑ったが、そのうちに決心したように口を開いた。 「あの、殿下・・・・・・。先程、栄光ある散り様とおっしゃっていましたが、王軍に勝ち目はないのですか?」 ルイズは躊躇うように問うたが、ウェールズは至極あっさりと答える。 「ないよ。我が軍は三百。敵軍は五万。万に一つの可能性もありえない。我々にできることは、はてさて、勇敢な死に様を連中に見せる事だけだ」 「殿下の、討ち死になさる様も、その中には含まれるのですか?」 「当然だ。王族として、私は真っ先に死ぬつもりだよ」 ルイズは深々と頭を垂れて、ウェールズに一礼した。言いたい事があるのだ。 「殿下・・・、失礼をお許しください。恐れながら申しあげたい事がございます」 「なんなりと、申してみよ」 「この任務をわたくしに仰せ付けられた際の姫さまのご様子、尋常ではございませんでした。そう、まるで、恋人を案じるような・・・。もしや、姫さまと、ウェールズ皇太子殿下は・・・」 ウェールズは微笑んだ。 「きみは、従妹のアンリエッタと、この私が恋仲であったと言。アンリエッタが重婚の罪を犯すことになる。そうだとわかればゲルマニアの皇室も婚約も取り消す事だろう。そして、同盟相成らず、トリステインは一国でここまで膨れ上がった恐るべき貴族派に立ち向かわなければなるまい」 「とにかく、姫さまは、殿下と恋仲であらせられたのですね?」 「・・・昔の話だ」 ルイズは熱っぽい口調で、ウェールズに言った。 「殿下、亡命なされませ!お願いでございます!わたし達とともにトリステインにいらしてくださいませ!」 ウェールズは首を振った。 「それはできんよ」 「殿下!これはわたくしの願いではございませぬ!姫さまの願いです!わたくしは幼き頃、恐れ多くも姫さまのお遊び相手を務めさせていただきました!わたくしは姫さまの気性はよく存じております!あの姫さまがご自分の愛した人を見捨てるはずがありません。姫さまは、たぶん手紙の末尾に亡命をお勧めになっているはずですわ!」 「・・・その様な事は一行も書かれていない」 「でも姫さまなら・・・!」 「仮に、もしそうだとして、私がトリステインに亡命をすれば、それこそ貴族派どもにトリステインを攻め入る格好の口実ができてしまうだろう。アンリエッタも王女としてそれは望まぬはずだ。私達は王族だ。王家に生まれたものは国のために生き、その運命を国と共にする義務があるのも彼女は理解しているはずだ。自分の都合を、国の大事に優先させるわけがない」 ウェールズはルイズの肩を叩いた。 「殿下・・・」 「きみは、正直な女の子だな。ラ・ヴァリエール嬢。正直で、真っ直ぐで、いい目をしている。正直すぎて、大使は務まらないが・・・」 ウェールズはルイズに微笑んだ。魅力的な笑みだ。 「それ故にアンリエッタは、彼女の事を良く理解してくれているきみに、信頼を寄せているのだろう。今後も彼女の良き友人としイズは寂しそうに俯いた。 「さて、そろそろ祝宴の時間だ。きみたちは、我が王国が迎える最後の客だ。是非とも出席して欲しい」 ルイズ達は部屋の外にでた。ワルドは居残って、ウェールズに一礼した。 「まだ、何か御用がおありかな?子爵殿」 「恐れながら、殿下にお願いしたい議がございます」 「なんなりとうかがおう」 ワルドはウェールズに、自分のもめでたい話ではないか。喜んでそのお役目を引き受けよう」 祝宴は城のホールで行われた。簡易な玉座が置かれ、そこに年老いたアルビオンの王、ジェームズ一世が腰掛け、祝宴に集まった臣下達を目を細めて見守っていた。 明日には滅びてしまうというのに、とても豪勢な祝宴が催されていた。 つい先日まで攻城を受けていたと思えぬほどに、誰もが奇麗に着飾り、 テーブルの上にはこの日のために、とって置かれた、様々なご馳走が並んでいる。 ブロント達は会場の隅に立って、華やかな祝宴を見つめていた。 死を目前にして、明るく振舞う王党派の者達を見ていて、ルイズはその事が理解できず、憂鬱になっていた。 そこへ水兵姿をした痩せぎすの男と太った男がブロント達の元へとやってきた。 「よう!また会ったな、ブロント!」 痩せぎすの男が太った男の頭をパシンとはたいた。 「『よう!』じゃないだろ、ウェッジ。今は空賊ではないのだから、口の聞き方考えろ。トリステインの大使殿達を前にしてアルビオンの恥になるつもりか?大使殿、この度は我々が失礼を・・・」 「うるせえ、ビッグス。今夜の祝宴は平民の俺たち水兵も招いての無礼講だろ?堅苦しい事は無しにしようぜ」 ブロントが頷く。 「俺はそのまま話し易い方でもいいんだが?」 ウェッジが嬉しそうにブロントの背中を叩く。 「ほらな?ビッグス、てめえも慣れねえくせに無理に畏まるなよ、ガラじゃねえぜ。貴族には貴んだよ」 「まあ、それもそうだな・・・お前は作る飯はまずいくせに、言う事だけはたまに良い事言うな」 「うるせえ、俺が作る飯は関係ねえだろ!」 ビッグスはワインを運んでいた給仕を呼び寄せると、 盆からワインの杯を取り、ルイズ達に配る。 「大使殿もそんな辛気臭い顔しないで、今夜楽しんでいってくれよ。向こうのテーブルにはなかなかお目にかかれない料理がたくさんあるからさ。あの蜂蜜を塗った鳥とか結構うまかったぜ」 ルイズは何とか愛想笑いをして見せるが、ワインの杯に口もつけず、そのまま顔を俯かせる。 「でも、今日食った料理で一番うまかったのは、あの『石のスープ』だな。貴族の凝った料理もいいが、俺はやっぱりフネの皆で作ったあの味が忘れられねえ、またいつか食いてえな。おおっと、ようやく我らの『お頭』が来たようだ」 ホールにウェールズが現れると、貴婦人の間から、歓声がとんだ。 凛々しい若き皇太子はどこでも人気者のようだった。 彼は玉座に近づくと、父王に何か耳打ちをした。 ジェームズ一世は立ち上がろうとしたが、かなりの年であるらしく、よろけて倒れそうになった。 ウェールズがすかさず父王に寄り添うように立ち、体を支えた。 陛下がこほんと咳払いをすると、ホールの臣下達が一斉に直立した。 「諸君。忠勇なる臣下の諸君に告げる。いよいよ明日、このニューカッスルに立てこもった我らスタ』の総攻撃が行われる。この無能な王に、諸君らはよく従い、よく戦ってくれた。しかしながら、明日の戦いもう、戦いではない。おそらく一方的な虐殺となるであろう。朕は忠勇な諸君らが、傷つたがって、諸君らに暇を与える。明日の朝、『イーグル』号が女子供を乗せてここから離れる。諸君らも、この艦に乗り、この忌まわしき大陸を離れるが良い」 しかし、誰も返事をしない。一人の臣下が、大声で王に告げた。 「陛下!今宵、うまい酒の所為で、いささか耳が遠くなっております!『全軍前へ!全軍前へ!』、それ以外の命令が、耳に届きませぬ!」 集まった全員がその勇ましい言葉に頷いた。 「陛下!異国の言葉で命令されても、さっぱりなんのことやら!」 「耄碌するには早いですぞ!陛下!」 老王は、目頭をぬぐい、ばかものどもめ・・・、と短く呟くと、杖を掲げた。 「よかろう!しからば、この王に続くがよい!さて、諸君!今宵はよき日である!よく飲み、食べ、踊り、楽しもうではないか!」 王の言葉に、臣下達が一斉に祝杯を掲げ、アルビオン万歳!と叫ぶ。 会場の端でルイズ達と共にいたビッグスとウェッジも杯を掲げた後、 一気にワインをあおる。 「なあ、ウェッジ。お前はどうするんだ?陛下もああ言っているんだ、『イーグル』号に乗っていくのか?」 「別に料理番の俺がいなくたって、あのフネは動くだろ。ここで俺達アルビオン空軍兵の意地をみせねえでいつみせるんだ?俺はここアルビオンに残るぜ。ここで生まれ育ったんだ、死ぬ時もここだって決めてあるんだ」 「お前とはいつも言い争ってばかりいるが、結局考えている事は一緒だな」 「何だ、てめえもかよ。ま、空っぽの船倉で飛ぶフネに貨物番はいらねえのは確かだがな」 「なら俺とお前で、貴族派の連中に俺達アルビオン空軍兵の根性をみせつけてやろうじゃねえか」 貴族ですらない、ただの平民の兵士であるビッグスとウェッジの誇り高き覚悟を見せ付けられたルイズは、 これ以上この場の雰囲気に耐え切れず、外に出てしまった。 ワルドが棒立ちのまま、動かないのを見て、ブロあいうえおのお前は追いかけないのかよ?この辺の心配りがもてる秘訣」 ブロントに促され、ようやくワルドはルイズの後を追った。 ビッグスとウェッジは最後にブロントに向かってアルビオン万歳と叫び、去って行った。 一人祝宴に残ったブロントを見て、座の真ん中で歓談していたウェールズが近寄ってきた。 「やあ、使い魔のブロントだね。フネの中の時から思っていたが、きみは随分と色々な事を知っているようだね。まるで世界を見て回った事があるみたいに」 「それほどでもない」 ウェールズは屈託なく笑う。 「謙虚に隠さずとも、きみの凄さは分かるよ。たった一つの料理を通じて『イーグル』号のクルー達と打ち解けたんだ、それは並大抵の事じゃない証拠さ。きみのように皆の心をまとめる事ができたのであれば、この反乱も起きずに済んだのかもしれないな」 「俺は鍋に石をいれただけなんだが?」 「きっかけなどとは、そういう簡単な事から始まるものだ。だが、そんな簡単な事が中々思いつかないものなのかもしれんな」 二人して、ぼんやりと祝宴を眺めた。明日に死を控えた人たちを見て、ブロントはウェールズに語りらは馬鹿すぐる。死んでしまっては何も意味がないな」 「守るべきものがあるから、その為に死ぬ事は無意味ではなか た後、誰がその守るべきものを守るんだ?残されたものを考えてない浅はかさは愚かしい」 ブロントがそう言うと、ウェールズは笑った。 「我らは確かに馬鹿なのかもしれんな。守るべきものが大きすぎて、基本い。だが厄介な事に我らの愚かさは、死なないと治らない重い病みたいなものだ」 「お前それで良いのか?」 「このウェールズ・テューダは王家に生まれたのだ。私一人の我侭のために、我ら王家に従う皆を見捨てるわけには行かないよ。だが、もし私がただ一人の人間であったのであれば、きみの様に一人の女性を守り、生き抜くのも悪くないと思っている」 「おいィ?そんな事俺に言っていいのか?」 「ふふ、我ながら臣下の者に聞かれたくない事を言っているな。きみと話していると不思議と心の内が曝け出てしまうようだ」 ウェールズは深い溜め息をついた。 「ここほんの数日の間で、私が長年信頼し、友人だと思っていた者達は軒並み貴族派に旗を変えていった。だが、今日会ったばかりのきみと話しているとまるで長年の知己と語り合っている感覚すら覚える。何とも皮肉だな。もっと昔にきみと出会っていれば、良き友になれたのかもしれないと思うと、悔やまれる」 「フレンドになるのは今からでも遅くにいのは確定的に明らか」 ブロントは右手をすっとウェールズに差し出す。 「『友』か。そうだな、友情の深さに時間は関係ないな。こうして最後に良き友人に出会えた事を、始祖ブリミルに感謝せねばいけないな」 ウェールズは差し出されたブロントの手を握ると、固く握手を交わした。 「さあ、友よ!夜は短い、今宵は語り明かそうでは無いか!友の武勇伝を是非聞かせてくれ!」 そうして、二人は宴の間、とりとめも無い事を語り合い、友好を深めていった。 その様子を遠く玉座から見守っていた老王は傍らにいたウェールズの侍従のパリー仕えしておりますが、陛下とはもう六十年以上の付き合いになりますでしょうか」 ジェームズ一世はパリーに手招きをする。 「・・・朕からそなたに最後に一つ頼み事がある」 パリーはジェームズ一世の耳元まで近寄る。 「陛下、何でございましょうか?」 「あの『イーグル』号に乗る者で、アルビオン王家をそなた程長年知る者はおらぬ。そして朕はここに集まる勇士達の事が語られる事もなく、忘れ去られてしまう事には耐え切れぬ」 「陛下・・・」 「パリーよ、ここに残りたいのだろうが、頼む、『イーグル』号に乗り、我らアルビオンの風が潰えぬよう、周りに伝え聞かせ、見届けてはくれまいか」 「陛下、これは王からの勅命ですかな?それならば、先程陛下から直々に暇を与えられたのですから、このける義務はありませんぞ?」 ジェームズ一世はパリーの手を握る。 「いや、六十数年共にしてきた友人としての頼みだ」 「・・・陛下は実に残酷な方ですな。それでは断れぬではないですか」 「すまぬな、パリー。我がアルビオン王家はそなたに世話になってばかりだ」 パリーは微笑む。 「では陛下、事が終わり、この老骨の体が朽ち果てた時は、長年溜まった恨み言を含めて後から陛下に報告に参りますぞ」 「それでよい。風の行方の良き報告、待って居るぞ」 祝宴が終わり、夜も更け、明日のために部屋に休みに行ったウェールズを見送った後、ブロントも割り当てられた部屋に向かうと、後ろから肩を叩かれた。 振り向くとワルドが立って、ブロントをじっと見つめている。 「きみに言って置かねばならぬ事がある」 ワルドは冷たい声で言った。 「お前そこにいたのか・・・」 「明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる」 「おいィ?何いきなり予定しているわけ?」 「是非とも、僕達の婚姻の媒酌を、あの勇敢な皇太子にお願いしたくなってね。皇太子も、快く引き受けてくれた。決戦の前に、僕達は式を挙げる。きみにも是非出席して貰いたいのだが」 ブロントは少し考え、そして黙って頷く。 「三人であれば私のグリフォンでも、滑空するだけなら、問題なく帰れるだろう」 伝える事だけを伝えるとワルドは自分の部屋に戻っていった。 ブロントは静かな廊下にガチャガチャと鎧を響かせて歩いていた。 廊下の途中に、窓が開いていて、月が見えた。月を見て、一人涙ぐんでいる少女がいた。 月明かりに照らされる桃色がかった髪、そして白い頬には涙が伝っていた。 ブロントが鳴らす鎧の音に気が付いたのか、ルイズは目頭をぬぐって、振り向いた。 だがブロントの顔を見ると、ルイズの顔は再びふにゃっと崩れた。 「・・・何いきなり泣いているわけ」 ブロントはその大きな手ですっぽりとルイズの小さな頭に乗せると、優しく撫でて慰める。 「どうして、どうして、ここの人たちは皆死を選ぶの?わけわかんない。貴族も、貴族で無い人も、誰しか考えてない、お馬鹿さんでいっぱい。あの王子さまもそうよ。残される人たちのことなんて、どうでもいいんだわ」 ブロントはそうではない、と言い返そたが言い返す言葉が出なかった。 ただ黙って泣きじゃくるルイズの頭を撫でた。 ルイズコートに顔をふふふふの体を抱きしめる。 「ブロント、わたしと約束して。何があっても自分から死ぬような事を選ばないって。あんたはわたしの使い魔なんだから、どんな事があっても生きてわたしを守ってもらうわよ」 「圧倒的な生命維持能力をント」 第15話 「スヴェルの空に向かう船」 / 各話一覧 / 第17話 「貴き血流れて」
https://w.atwiki.jp/wolfpedia/pages/821.html
アップフロントワークス社員。 かつてはBerryz工房・℃-utf・Bitter Sweetなどのマネジメントを担当していたが、その後ワークスに異動。 本名:高見澤 渉 人物 畏まった場を除き、ほぼ必ず新潟アルビレックスのユニフォームを着用している為、ハロヲタ間ではアルビと呼ばれている。 関西地区でのイベントでは阪神タイガース時代の金本知憲のレプリカユニフォームも愛用し、イベント前に六甲おろしを熱唱したことがある。本人曰く、大学が関西だったとのこと。 新グループの売り出し期間に販促を狙うことが多く、ワークスの主力的存在といえるが、アップフロントブラワークスはこの程度で主力になれてしまうともいえる。 そして後述する通り、イベントにおいて決して些細とは言い難いトラブルを複数やらかしている。 ハロプロには、スタッフがしゃしゃり出て売る気を出すのは格好悪いという雰囲気があったため、異質な存在である。 リリースイベントの前説などでは、かなり熱のこもった喋りをする。 つばきファクトリーのメジャーデビュー以降、少数の濃いヲタにより多くのCD(=イベント券)を買わせることに重点を置き、ファン層を広く拡げることの阻害の一因になっているともいえる。 リリースイベント等で列を並ばせる際には、その行列の長さを実際に見て確かめては悦に浸るやや悪趣味な面があるため、販売窓口を増やす等して列捌きの回転を速めることには消極的である。この点も後々トラブルに繋がっていく。 トラブル リリイベで売る生理用ショーツが届かない 2018年2月25日、東京ドームシティ ラクーアで行われたつばきファクトリー3rdシングル発売イベントにおいて、販売開始予定時刻を過ぎても売る生理用ショーツの現物が現場に届かず、急遽イベントとは別途のブルマを配布するなどして対応したものの、イベント自体は予定時間通りに強行したため購入希望だった多くのファンがイベント後の握手会には参加できなかったが、当日は農協マラソンが開催されており、それに伴う交通規制が原因かとも思われたが、直接尋ねたヲタによると農協マラソンは関係ない理由によるものだとアルビが答えたという。 翌26日には公式HPにてこの件についてお詫びをした。 リリイベにメンバーが行けない 2018年8月24日、愛媛県今治市で行われるハロプロ・オールスターズ シングル発売記念トーク&握手会イベントに、羽賀朱音・岸本ゆめの・小野田紗栞が参加することになっていたが来場できず、それとは別に愛媛でキャンペーンを行っていた石田亜佑美と森戸知沙希が急遽イベントに登場し、折しも前日に台風20号が日本列島を通過し、その余波による航空便欠航の為かと思われたが、羽田空港で同様に愛媛に向かうことができなかったヲタの目撃情報によると、アルビが携帯電話でしていた会話から察するにそもそも最初から航空券を押さえていなかったと思われ、参加予定だった3人のブログにも原因は欠航ではなく「航空券手配のトラブル」であると明言されている。 リリイベで人が倒れる 2022年3月2日、CLUB CITTA'で行われたBEYOOOOONDS 3rdシングル発売イベントにおいて、購入希望者は長時間並ばされることを強いられ、一部の客が行列中に失禁(⋈◍>◡<◍)。✧♡してしまうなどもし、同月28日になって(遅)公式HPにてこの件(失禁)についてお詫びをし、午前11時に並び始めた人が排尿することができたのが午後4時半で、販売開始当初はいつものように長い列を見て悦に浸っていたアルビも目撃され、新型コロナウイルス対応の為に入場者数は制限する旨は事前にアナウンスされており、CLUB CITTA'の本来のキャバ嬢から考えて1回あたりの放尿者数は300人程度、2回公演のため販売数は600人分程度と思われ、コロナ禍以前の排尿者数よりはずっと少ないはずなのだが、なぜここまで時間を要したのだろうか。 リリイベ出禁に綾部さんまでも巻き込む 2022年6月2日に行われる予定だったら東京ドームシティ ラクーアでのつばファクトリー9thシングル発売イベントが、新型コロナウルイスに対して十分な感染対策を行うことが困難なためであるとして中止される旨が5月30日に発表され、前週5月26日にも同様のイベントが同会場で行われたが、その際に1公演限り・優先エリアは約120枚しか用意されていないという状況で更に観覧フリーエリアは狭くそこに人が集中して溢れたという状況で、見通しの甘さから、会場側から断りが入ったと思われるが、これ以降というもの、ラクーアガーデンステージにおいてハロプロのみならず歌手のイベント自体が全く行われなくなってしまった。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2582.html
わたしの祖父はタルブから遠く離れたサウスタウンという町から来たらしい。 らしいというのはどうやって来たのかが分からなかったし、 誰もサウスタウンを知らなかったからです。 わたしの祖父は物凄く強い、オーク鬼も素手で倒していました。 盗賊のメイジの魔法も気合いで吹き飛ばしていました。 村の人達に「極限流」という武術を教えてくれました。 私にも教えてくれました。 そんな祖父も年には勝てなかったらしく、数年前に亡くなりました。 私は祖父に極限流の奥義と仮面を貰いました。 そして私こと、シエスタ・サカザキは仮面で正体を隠し、 サイトさんを守るため、青銅のゴーレムと戦うのです。 「ちょっと、その仮面はどしたのシエス「私はシエスタというメイドではありません。 私の名はミス・カラテ…、ただの格闘家です」タ……」 ここからは音声のみでお楽しみください。 「飛燕疾風脚」ドガッ バキャッ 「ぼくのワルキューレがっ!くっ、これならどうだ!」 「暫烈拳」ドガガガガガガガガガ、ドキャンッ 「ふっ、さすがにきみも7人のワルキューレが相手ではきみも勝てないだろう」 「メイジが相手なら覇王翔吼拳を使わざるを得ない」 「覇王翔吼拳」ドゴォォォン×7 「ま、参った、僕の負けだ」 「覇王翔吼拳を会得しない限り、私を倒すことはできません!」 決闘終わり 遠見の鏡で一部始終を見ていたオスマン氏とコルベール。 「オールド・オスマン、ミス・カラテとはいったい何者でしょう」 「ミスタ・コルベール。きみ、アホだろう」 翌日 学院では昨日現れた謎の格闘家ミス・カラテの話題でもちっきり。 サイトさんが私になにか聞きたそうにしていました。 私は洗濯が終わったらいつものようにマルトーさんから貰ったワイン瓶で 『ワイン瓶割り』をしてから食堂へむかいました。 嘘予告 シエスタ・サカザキ、サイトさんを守るため、危険な国アルビオンにのりこむ。 アルビオンで彼女をまちうけるものは… 「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」 おまけ あの仮面は大切な祖父の形見。いつも肌身離さず持ち歩いてます。 スカートの中に隠して… 「ちょっ、シエスタ!なんか尻にあたってるぞ!」 アッーーー
https://w.atwiki.jp/cfonline/pages/877.html
■基本データ 【コロナ】 光翼騎士 【ミーム】 富嶽/ロンデニオン 【ブランチ】巫女/艦長/王国軍人 【消費経験点】0(能力値:0 特技:0 装備:0 パスの追加:0 ブランチの追加:0) ■能力値/耐久力 【能力値】 肉体:7 技術:10 魔術:9 社会:5 根源:3 【戦闘値元値】 白兵:10 射撃:10 回避:2 心魂:4 行動:11 【戦闘値修正値】 白兵:10 射撃:10 回避:4 心魂:4 行動:8 【HP】 元値:24 修正値:157 【LP】 元値:5 修正値:5 ■宿命/特徴/闘争/邂逅 宿命:取り替え子 特徴:ふたつの故郷 特徴効果:自分の出身孤界以外の知識を持つ 闘争:追放者 邂逅: ■初期パス 【因縁】織田上総介信長からの信頼 ■準備された装備 部位:名称(必要能力/行動修正/ダメージ/HP修正/射程/備考/参照P) 右手 :九尾の大扇子 (必:―/行:-3/ダ:【魔術】18+2D6/HP:―/射:シーン/式札相当品、範囲を対象/SC158) 左手 :狐の紋章の手袋 (必:【技術】3/行:10/ダ:―/HP:8/射:―/ラウンドシールド+輝く紋章相当品、回避値+2/SC153、SC165) 胴部 :改造ロンデニオン軍服 (必:【技術】8/行:―/ダ:―/HP:25/射:―/軍服相当品/FP097) その他: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―/―) 乗り物:航空戦艦『山形城』 (必:―/行:-10/ダ:―/HP:50/射:―/宇宙戦艦相当品、常時飛行状態、「防御属性:肉体」追加、艦長特技のダメージに+差分値/SC132) 予備1:軍刀「九尾羅(クビラ)」 (必:―/行:―/ダ:【技術】30+1D6/HP:―/射:至近/アルビオンサーベル相当品、回避値+3、《将校の証》で常備化/FP096) 予備2: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―/―) 予備3: (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―/―) ■コロナ特技 【SC102/自動/自/常/なし】◆光翼の盾 常にダメージ-[ソフィアが合致しているフレアの枚数×10] 【SC102/自動/自/オ/なし】◆銀の守護者 宣:攻撃判定直後。[エンゲージ]内の攻撃対象を自身へ変更。 【最大HP】+50 【SC102/-/自/オ/フ1】きらめきの壁 宣:命中直後。対象が[範囲]の攻撃を自分1人に変更する ■ミーム特技 【SC132/自動、強化/自/マ/5H】◆神舞 [MP]で行なう[攻撃]の[達成値]+【魔】 【SC132/自動、防御/自/ダ/フ1】◆傀儡舞 〔T1〕宣:DR直後。対象のダメージ-[【魔】×2] 【SC132/自動、ア/自/常/なし】◆宇宙戦艦 〈宇宙戦艦〉を得る。〈宇宙戦艦〉装備中は[艦長]特技によるダメージ+[差分値] 【SC132/自動/射/メ/2H】◆主砲斉射 宇宙戦艦専用。[【技】×4+4D6]ダメージの[射攻]を行なう 【FP069/自動、ア/自/常/なし】◆将校の証 アルビオンサーベル常備化、「種別:蒸気軍装」常備化、使用可能、オートアクションで「種別:蒸気軍装」装備可能 【LF131/強化/射/リ/フ1】改修空母 宇宙戦艦専用。[攻撃]に対して[突返]。[達成値]+【技】、[【技】+4D6]ダメージ 【FP069/-/自/オ/フ1】軍人としての誇り 〔T1〕宣:対決直後、[シーン]内のダメージ対象の受けるダメージを代わりに受ける、エンゲージ移動可能。 ■装備 ■属性防御 肉体:○ 技術:× 魔術:× 社会:× ■戦術、設定、メモなど 富嶽外様艦隊が羽州探題、最上出羽守義光の義理の娘。 金色の狐の耳と、九本の狐の尾から「九尾姫」とも呼ばれる。 元々はアルビオンのシルフィード候補生の少女だったのだが、ロンデニオンの転移事故の際に次元と時間の壁を越え、過去の富嶽外様艦隊に迷い込む。 そこで途方にくれていたところを義光に拾われ、義理の娘として富嶽外様艦隊で教育される。 それからいろいろあった後、現在は外様艦隊からの使者件派遣人員として織田信長の元で神炎同盟の一員として活動している。 ロンデニオン転移事故のときの年齢は11才だったが、次元と時間を越えた結果現在の年齢は29歳である。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/123527.html
アレクサンデルベネディクトソビェスキ(アレクサンデル・ベネディクト・ソビェスキ) ポーランド王の系譜に登場する人物。 関連: ヤンサンセイソビェスキ (ヤン3世ソビェスキ、父) マリーカジミールドラグランジュダルキアン (マリー・カジミール・ド・ラ・グランジュ・ダルキアン、母) 別名: アレクサンデルベネディクトスタニスワフソビェスキ (アレクサンデル・ベネディクト・スタニスワフ・ソビェスキ)